Jack Ryan: Shadow Recruit
2014年 アメリカ/ロシア 106分
監督:ケネス・ブラナー
ロンドン留学中に9.11の報道を見たジャック・ライアンは海兵隊に入隊してアフガニスタンで負傷し、リハビリ中に医者の卵のキャシーと出会い、リハビリを終えるとCIAから接触を受けてウォール街に勤務してテロリストの資金源について分析するように指示を受け、10年後、グルジアとトルコを結び新たなパイプラインがロシアに経済的な打撃を与えるということがなにやら国連で審議の対象になり、パイプラインの敷設にあくまでも反対するロシアはパイプラインの敷設に反対しないアメリカに対して報復を決意、ロシア人の愛国的な実業家チェレヴィンに指示を与え、チェレヴィンが計画に沿って動き始めるとチェレヴィン関係の資金が隠蔽されていることに気づいたジャック・ライアンはCIAの密命を帯びた上で金融機関の監査担当としてモスクワへ飛ぶ。
ジャック・ライアンがクリス・パイン、CIAの上司がケヴィン・コスナー、チェレヴィンが監督兼のケネス・ブラナー、キャシー・ミューラーがキーラ・ナイトレイ。アレック・ボールドウィン、ハリソン・フォード、ベン・アフレックと続いてきたジャック・ライアン役は今回がいちばん子供っぽいし、たぶん単細胞なキャラクターとして造形されているが、そのあたりがクリス・パインに似合っているし、反応の仕方が微妙に小動物じみているところも含めて面白い。キーラ・ナイトレイは意外なほど魅力的な仕上がりで、ケネス・ブラナーも悪くない。
スパイ活動周辺は冷戦時代のお蔵出しのような感じだし、ロシア側がたくらむ陰謀は例によって突っ込みどころ満載で、「あれをああして、これをこうしてやるのだ」以上のものではないが、よどみのない演出とシャープな画面構成で最後まで一気に見せてくれるので退屈することはまったくない。
Tetsuya Sato