Small Soldiers
1998年 アメリカ 108分
監督:ジョー・ダンテ
軍事企業のグロボテック社が突如として玩具業界に進出し、グロボテック社に買収されたおもちゃ会社は新しい社長の命令でコマンドエリートとゴーゴナイトという二系統のミリタリーアクション系フィギュアを開発するが、どちらにもおもちゃ会社の社員がなんとはなしに採用した軍事用のチップが入っていて、それを発売前に手に入れたおもちゃ屋の息子アラン・アバーナシーがなんとはなしに起動したところ、コマンドエリートの隊長チップ・ハザードは敵であるゴーゴナイト殲滅のために活動を開始し、プログラムによって敗北を運命づけられたゴーゴナイトは敗北主義に染まって逃げ隠れし、アラン・アバーナシーがゴーゴナイトのアーチャーをかくまったことからコマンドエリートの軍団はアラン・アバーナシーとその周辺の人物も敵と見做すようになり、勝利のために手段を択ばないチップ・ハザードはアラン・アバーナシーの家の向かいに住むクリスティン・フィンブルをアラン・アバーナシーの弱点と見てクリスティン・フィンブルを捕えるとどこかのテロリストさながらに脅迫のテープを送りつけ、さらにクリスティン・フィンブルのコレクションの女の子人形にも邪悪な命を吹き込んで味方につけ、クリスティン・フィンブルの問題の多い父親のガレージを悪用してさまざまな兵器を作り上げると最後は大人も巻き込んで大戦争。
おもちゃの人形の声優陣がとにかく豪華で、チップ・ハザードがトミー・リー・ジョーンズ、アーチャーがフランク・ランジェラ、チップ・ハザード配下の兵隊たちにはおおむね『特攻大作戦』そのまんま、ということでアーネスト・ボーグナイン、ジョージ・ケネディ、ジム・ブラウン、クリント・ウォーカーが参加し、さらにブルース・ダーンまで加わっている。ヒロインのキルステン・ダンストの人形の声はクリスティーナ・リッチ、サラ・ミシェル・ゲラー。スタン・ウィンストンが担当した人形たちがよく動き、それで『パットン大戦車軍団』から『地獄の黙示録』までパロディをやってくれる。ジョー・ダンテの演出は生き生きとしていて、これは非常に楽しい映画に仕上がっている。
Tetsuya Sato