Romanzo di una strage
2012年 イタリア/フランス 129分
監督:マルコ・トゥリオ・ジョルダーナ
1969年12月、ミラノの全国農業銀行で爆発が起こって14人が死亡、警察はほぼ自動的に反応して地元のアナキストグループを調べ始めるが、アナキストのリーダーのジュゼッペ・ピネッリが取り調べ中に死亡して警察本部がその経過についてあられもない嘘を述べるので、捜査を指揮するカレブレージ警視は忠誠と良心のあいだで反問しながら名誉を失い、そうしているあいだにも証拠は捏造され、良心的な検事は事件からはずされ、それでも足りないと事件自体がローマに移管され、そうした一連の動きの背後ではイタリア右翼、軍、NATO急進派、ギリシア軍事政権、スペイン政府、CIAなどが関わっているような話も聞こえてくる。
60年代末から70年代初頭の徹底した再現ぶりは感涙もの。アルド・モーロが妙にかっこいいところが気になったが、ダイアログは知的で、演劇的にも感じられる演出をところどころに交えながら緊張感にあふれる空間を緻密な絵で作り出している。自信に満ちた大作であり、なんだかフランチェスコ・ロージの映画を見ているような気分になった。
Tetsuya Sato