Dallas Buyers Club
2013年 アメリカ 117分
監督:ジャン=マルク・ヴァレ
1985年、ダラスに住む電気技師ロン・ウッドルーフは作業現場で事故にあって病院へ運ばれ、意識を取り戻したところでHIVに感染していて余命30日と宣告され、女好きのロン・ウッドルーフは自分はホモではないから違うと宣言して病院から逃げ出すものの、図書館でいろいろと調べて診断結果を受け入れ、抗HIV薬のAZTの臨床試験が始まったことを知って病院を訪れてAZTの処方を求めるとまだ試験中だということで断られ、そこで裏から手に入れて服用を始めて、裏から手に入れる手段がなくなるとほぼ死にかけたような状態でメキシコを訪れ、そこで出会った無免許医からAZTの危険性を知らされ、より安全な薬の服用と体質改善を勧められてそのまま半年ほど療養すると使っていた薬がアメリカでは無認可だということで大量に仕入れて帰国、それをダラスのHIV感染者に売り歩いているうちにトランスジェンダーのレイヨンが仲間に加わり、会員に対して無料で薬を配るダラス・バイヤーズクラブを立ち上げて成功させると薬を求めて日本、イスラエル、中国、ヨーロッパなどを渡り歩いてAZTに代わる代替医療を進めていくとFDAから横槍が入る。
序盤のクズ野郎から中盤以降では本質はしっかりと保持したまま微妙な深みを加えていくマシュー・マコノヒーがたいへんチャーミング。主人公の周辺キャラクターも魅力的で、心象を寡黙に織り込んでいく演出も誠実な感じがあって悪くない。
Tetsuya Sato