Whiteout
2012年 アメリカ/カナダ/フランス/トルコ 101分
監督:ドミニク・セナ
1957年、ソ連の輸送機が南極の極点付近で墜落し、それから現代、冬を控えたアムンゼン・スコット基地に勤務する連邦保安官キャリー・ステッコは氷上で死体が発見されたという通報を受けて現地へ飛び、回収した死体を検死したところ他殺の可能性が浮かび上がり、犠牲者が働いていたキャンプに連絡を取るとそこからの応答はなく、ただそこにいた一人が無人のボストーク基地から連絡してきて電話では話せないというようなことを言うので今度はボストーク基地まで出かけていくといきなり何者かに襲われ、失神していると国連の捜査官だと名乗る男が現われ、この男を加えてパイロットとともに問題のキャンプへ飛んでいって、そこで見つけた手がかりを頼りに氷原を調べてみると氷の下数メートルに埋まっているソ連の輸送機が見つかり、しかも誰かがすでに発掘をしていてなにやら重要な物が持ち出されている。
キャリー・ステッコがケイト・ベッキンセイル、国連の捜査官が『ザ・スピリット』のガブリエル・マクト、基地の医師がトム・スケリット。
どうにもプロットがあほらしいし展開が必要以上に説明的だし、加えて微妙に見かけ倒しな仕上がりなのがいかにもドミニク・セナという感じではあるものの、南極の寒さと風のすさまじさはなかなかの仕上がりだし、冒頭のアントノフ輸送機の墜落シーン、アムンゼン・スコット基地の全景と内観、各種航空機、雪上車といった南極メカが地味ながらもきびきびと活躍するし、あほうな展開ながら登場人物もいちおうきびきびとしていて格別のだれ場というだれ場はないし、とりあえずケイト・ベッキンセイルを見せておけばなんとかなる、という確信もどこかにあったようで、登場するやいなやシャワーシーンを披露したりする。というわけでケイト・ベッキンセイル鑑賞映画としては十分に機能していると思う。
Tetsuya Sato