The Blue Max
1966年 アメリカ 154分
監督:ジョン・ギラーミン
1918年の西部戦線。歩兵部隊の伍長ブルーノ・シュターヘルは塹壕に横たわって上空を横切る戦闘機を見上げていたが、やがて一念発起してパイロットとなり、中尉として航空部隊に配属される。シュターヘルの野望はブルーマックス勲章を得ることになり、そのためには敵機を二十機撃墜しなければならなかったが、そういう余裕のない精神状態なので貴族出が多い同僚パイロットとの折り合いが悪い。それでもがめつく撃墜数を稼いでいくと、軍上層部ではそのがめつさが勇気の証として宣伝材料に使えると判断し、シュターヘルに肩入れしていく。というわけでシュターヘルは庶民出の英雄となり、間もなくブルーマックスを手にするが、結局はそのがめつさが災いとなる。
多数の復元機を投入した空戦映画の大作である。地上戦の場面、銃後の場面などもなかなかにそつがなく作られていて、戦争映画としてのポイントは高い。ジェイムズ・メイスンの将軍、ジェレミー・ケンプの貴族出のパイロットなどはそれなりの風格を備えているが、主役のジョージ・ペパードは明らかにミスキャストで(そもそもドイツ人に見えないのである)、その上に魅力を欠いている。これがこの作品の最大の瑕疵であろう。
Tetsuya Sato