2014年2月2日日曜日

欲望のバージニア

欲望のバージニア
Lawless
2012年 アメリカ 98分
監督:サーシャ・ガヴァシ

1931年、禁酒法施行後のバージニア州フランクリンで土地のお百姓がせっせと密造酒の製造に励んで地産地消に精を出していると、そこへ州の検事と結託した冷酷非情な特別補佐官が現われて密造酒の上がりを搾取するので、地元では不死身で評判のボンデュラント兄弟が特別補佐官の仕打ちに抵抗し、それでも特別補佐官が仕打ちを続けてついに越えてはいけない一線を越えると兄弟はもちろん村人も保安官も立ち上がる。 
ボンデュラントの3兄弟が上からジェイソン・クラーク、トム・ハーディ、シャイア・ラブーフ、かなり異常なレイクス特別補佐官がガイ・ピアース、あまり顔は出さないギャングの親玉がゲイリー・オールドマン。
ロケはおもにジョージア州でおこなわれたらしい。当時の風俗などが豊かに再現されていて、そこにフランドル絵画のような色彩が混じって視覚的にいろいろと楽しみがある。いかにもな形で展開するお話もなかなかに面白いが、中盤以降の状況を進めるためのモンタージュはやや唐突だし、全体にカメラが動きすぎるせいでショットに落ち着きがない。ひんぱんにカントリー系の音楽が挿入されるが、これもなぜか落ち着かない。フレームをきっちりと決めて、もう少し重ための造形にしたほうがよかったのではないか、という気がしてならないが、もしかしたらわたしが単に古典的な作りを求めているのかもしれない。

Tetsuya Sato