2014年2月25日火曜日

フラクチャー

フラクチャー
Fracture
2007年 アメリカ/ドイツ 113分
監督:グレゴリー・ホブリット

自前の研究所で航空工学の研究をしているとおぼしきクロフォード氏は妻の浮気を知って早めに帰宅して妻が帰ってきたところで妻の後頭部をいきなりピストルで撃ち抜き、銃声を聞いた庭師が警察に通報して出動してきた警官隊がクロフォード氏の自宅を包囲し、現場に到着したナナリー警部補が交渉役としてクロフォード氏宅に入ったところ、床に倒れているクロフォード氏の妻が自分の浮気の相手であることに気がついて取り乱し、民間の弁護士事務所に転職が決まっているロサンゼルス検事局の検事ビーチャム氏はすでにクロフォード氏の自白調書があるということですぐにかたづくことを期待して事件を引き受けるが予審が始まるとクロフォード氏は自分で自分を弁護することを主張して公判の速やかな開始を要求し、クロフォード氏の逮捕と事情聴取にクロフォード氏の妻の浮気相手であるナナリー警部補がいたことから自白自体の有効性を覆し、さらに肝心の凶器には発砲した痕跡がなく、クロフォード氏自身からも硝煙反応が得られないということで窮地に陥ったビーチャム氏は凶器を探すために手を尽くし、昏睡状態で病院で眠るクロフォード氏の妻の覚醒に期待する。 
監督は『ジャスティス』のグレゴリー・ホブリット。絵はおおむねにおいてきれいだが、気取っているだけのように見えなくもない。検事を演じたライアン・ゴズリングは力演しているものの、クロフォード氏を演じたアンソニー・ホプキンスはレクター博士の劣化コピーのようにしか見えてこない。そもそもレクター博士の設定にしてからがいささか想像力に乏しいものであったが、クロフォード氏の正体の知れない凶悪さは常識的な人物造形から遠いところで唐突に発揮されるだけでまったく脈絡が感じられない。はいホプキンスさん、そこで凶悪な顔をしてください、というキューに反応しているだけであろう。脚本もあまり頭がよろしくない。 
Fracture [Blu-ray] [Import]
Tetsuya Sato