Warsaw 44
2014年 ポーランド 128分
監督:ヤン・コマサ
1944年8月、ワルシャワで母と小さな弟と暮らすステファンは近所の娘アラの誘いでレジスタンスに加わり、ソ連軍のポーランド侵攻に呼応してワルシャワで蜂起したレジスタンスは市街の一部を占拠するものの、反撃を開始したドイツ軍の前では準備不足の素人集団しかなく、きわめて固い決意で抵抗を続けながら下水にもぐったりドイツ軍の拠点を襲撃したりしているうちに町は瓦礫の山と化し、お約束のゴリアテも登場し、ステファンを含む十代の兵士たちは最後の拠点を捨てて脱出をはかる。
けったいな邦題のせいでレジスタンスがガンカタを始めるのかと疑ったが、ワルシャワ蜂起に積極的に巻き込まれた十代の若者の話になっていて、その目の前で展開する人体破壊ぶりがすさまじい。爆発の直後に文字どおりに血と肉片が雨になって降り注ぐ、という描写を見たのは初めてである。銃弾や砲弾の破壊力を含め、凄惨な場面が作り込まれている一方、思いつきでやっているとしか思えないハイスピードショット(大胆なポストプロダクション加工入り)がところどころにはさみ込まれていて(これはこれで目を覆いたくなる)、そのせいで少々奇妙な映画になっている(とめるやつはいなかったのか)。さしあたり水準はクリアしているし、視覚的な面では収穫の多い作品だと思うものの、デザインに問題を抱えている。
Tetsuya Sato