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ヒュンはドラゴンを倒して首を取った。ドラゴンの首を担いで進んで行くと、城壁に囲まれた大きな町にたどり着いた。町の人々はドラゴンに苦しめられていた。ドラゴンは町を襲って家々を焼き、財宝を奪い、女や子供をさらって身代金を要求した。口から火を吹きながら銀行に現われて強引に融資を申し込み、金を受け取ると踏み倒した。下町の酒場に入り浸って無頼漢どもに酒をおごり、手なずけて犯罪をそそのかし、かと思うと大学に姿を現わして、学生の前で扇動的な演説をぶって危険思想をばらまいた。陰謀があると聞けば夜空を飛んで会合に加わり、革命家たちの秘密会議にもほとんど欠かさずに顔を出し、地下新聞に扇情的な記事を書いて青少年を堕落させた。町の人々は国王に直訴し、国王はドラゴンを倒すために軍隊を送った。一人の兵士も戻らなかった。そこで国王は約束した。ドラゴンを倒した勇者には王国の半分と王女を与えると約束した。多くの勇者がドラゴンを倒すために旅立っていった。戻ってきた者は一人もなかった。そこへヒュンがやって来た。ドラゴンを倒し、ドラゴンの首を担いでやって来た。町の人々はヒュンを歓迎した。国王は約束を果たすためにヒュンを招いた。美しい王女が微笑みながら、ヒュンに向かって手を差し出した。クロエがショットガンの引き金を引いた。美しい王女が血まみれになって吹っ飛んだ。衛兵が駆け寄るのを見てヒュンはすぐさま剣を抜き、キュンは杖で床を叩いた。
Copyright c2015 Tetsuya Sato All rights reserved.
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