2015年12月18日金曜日

リディキュラス6

リディキュラス6
The Ridiculous 6
2015年 アメリカ 118分
監督:フランク・コラチ

子供のころに孤児になってアパッチに育てられたトミーのところへフランク・ストックバーンという名の老人が現われて父親だと名乗り、余命がわずかなので悪事をして貯めた5万ドルを譲りたいと申し出るが、そこへフランク・ストックバーンの一味だというシセロという男が徒党を率いて現われて金をよこせと脅してフランク・ストックバーンをさらうので、トミーは父親を救うために金を用意することにして町を訪れ、そこで泊まった宿のスペイン系老女にフランク・ストックバーンのことをたずねると、かつて交接した経験があると詳細を語り、その結果として息子を得たと言うので、その息子に会って自分たちは兄弟であると告げると意気投合して父親を救うために銀行を襲おうということになり、傲岸な銀行家がいる銀行を襲っているとその様子を見たいかにもアホウな農夫が何かと感心して、自分の父親もまた銀行強盗でその名はフランク・ストックバーンであったと告白して兄弟は三人になり、三人で逃走して金を稼ぎながらフランク・ストックバーンの行方を追っていると、さらに三人の兄弟が加わり、稼いだ金をそろいのアイパッチをした悪党団に奪われると、カスター将軍、マーク・トゥエイン、ワイアット・アープなどがそろってポーカーをしているところに乗り込んで大金を奪い、ついにシセロの一味に追いついて父親を救い、真相が明かされる。 
アパッチの神秘の技を身につけたトミーがアダム・サンドラーで、怪人ぶりはなんとなく『エージェント・ゾーハン』を思い出させるが、どちらもアダム・サンドラーの企画なのでそういうことになるのかもしれない。フランク・ストックバーンがニック・ノルティ、シセロがダニー・トレホ、かつての仲間だったのがハーヴェイ・カイテル、床屋兼医者がスティーブ・ブシェミ、荒野の真ん中にいきなり現われて中国人チームと野球での対戦を要求する奇人がジョン・タトゥーロ。俳優陣に不足はないし、笑えるところもそれなりにあるものの、しまりのない仕上がりで、同じようにしまりがないのであれば素材に対する距離を明確にしたセス・マクファーレンのほうがまだ面白かったということになると思う。不思議なことだが、西部劇でコメディをやると失敗が多い。なんだか無性に『マクリントック』が見たくなった。 

Tetsuya Sato