S7-E24
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孤児
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昔むかし、海と空の向こうの国に腹を空かせた孤児がいた。冷たい隙間風が吹き抜ける孤児院で、ぼろをまとって空腹を抱えて泣いていたが、実はある貴人の血を受け継いでいて、遠くにある優雅な場所からゆっくりと救いの手が近づいていた。だが空腹を抱えた孤児は待っていることができなかった。だから薄いスープのお代わりを求めて、残忍な院長に殺された。その無残な光景を見て孤児院の孤児たちが立ち上がった。殺された孤児を全員で囲み、怒りの拳を振り上げた。たった一杯のスープのために。彼の死を忘れるな。暴動が始まり、院長の手下は縛り上げられ、院長は簀に巻かれて冬の海に放り込まれた。孤児院は火に包まれ、軍隊が出動し、孤児たちに食料を与えた市民が階段の上から撃ち殺された。弾圧の手が迫る。万事休すか。だがその瞬間、町中の孤児院が赤旗を掲げた。
Copyright ©2015 Tetsuya Sato All rights reserved.
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