S7-E23
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病気
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昔むかし、海と空の向こうの国に大酒飲みの王様がいた。大酒飲みの王様はいつも朝から飲み始めた。昼のあいだも飲み続けて、夜も寝るまで飲み続けた。病気になっても飲み続けた。病気を治すために国中の医者が呼ばれたが、病気を治す方法が見つからない。王様は国一番の賢者を招いて意見を求めた。そして賢者の進言にしたがってお触れを出し、病気を治した者には王国の半分を与えると約束した。国中から怪しい術者やいかがわしい者が集まった。それでも病気を治す方法は見つからない。王様は再び賢者に意見を求め、王様は賢者の進言にしたがってお触れを出し、病氣を治した者には王国の全部を与えると約束した。すると国中から猫や杓子まで、あらゆる者が集まってきたが病氣を治す方法は見つからない。王様はもう一度賢者を招いて意見を求めた。国を手離す覚悟があるのなら、と賢者は言った。その覚悟でお酒を飲むのをやめなさい。しかし王様は飲むのをやめようとしなかった。賢者を城から追い出して、病気で死ぬまで飲み続けた。
Copyright ©2015 Tetsuya Sato All rights reserved.
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