2015年8月12日水曜日

恐怖の人体研究所

恐怖の人体研究所
The Atticus Institute
2015年 アメリカ 92分
監督:クリス・スパーリング

1976年9月、ESPの研究をしている民間施設アティカス研究所にジュディス・ウィンステッドという40過ぎの女性が検査に訪れ、所長のヘンリー・ウェスト博士以下スタッフがゼナー・カードなどの基本的な検査に取りかかると驚異的な結果が記録され、念動力や読心術でも気味の悪いほどの能力を示すものの、ジュディス・ウィンステッドの奇怪な行動に恐怖を感じた研究所は助けを求めて国防情報局に資料を提出、ソ連の後追いでESPの研究を検討していたDIAはジュディス・ウィンステッドに関心を示し、以降アティカス研究所はDIAの指揮下に編入されて警備の兵員が配置され、ジュディス・ウィンステッドにはさまざまな検査が繰り返され、医学的な検査では体内に未知の物質が検出され、遠隔地にいる人間の名前と場所を言い当て、さらにその人物の心拍までも操作できることが判明するに至ってジュディス・ウィンステッドは戦略兵器に位置づけられ、そこに至る過程で能力を発揮しているのはジュディス・ウィンステッド本人ではなくてジュディス・ウィンステッドに憑依している何かだという認識からその何かの正体を調べていくと、これはどうやら悪魔らしい、ということになり、だったらあきらめるかというとそういうことはなくて、本気で悪魔をコントロールしにかかる。 
アメリカ政府が公式に認めた唯一の悪魔憑き現象、という触れ込みで、当時の記録映像、写真、開示された機密情報、生存者のインタビューなどがフェイク・ドキュメンタリー形式で構成されており、中盤で軍が介入してくると冷酷非情ぶりが悪魔と大差ないというあたりがなかなかに不気味。予算のかかった映画ではないが、70年代の雰囲気はよく出ているし、見せ方も上手で、科学的に検証されていく悪魔憑きの様子はかなり怖い。

Tetsuya Sato