2014年11月26日水曜日

Plan-B/ 蠕動

S1-E09
蠕動
 夜のあいだに訪れた嵐が電柱を傾け、電線も電話線も引きちぎった。外界へと通じる道は土砂でつぶされ、その小さな町は孤立した。町では対策本部を設けて被害を調べるために素人同然の職員を走らせ、途切れがちな緊急無線を使って隣の町に応援を頼んだ。しかし異変はすでに始まっていた。電柱から垂れた電線が地面に大量の電流を流し、その影響によって地中のミミズが凶暴化していた。凶暴化し、集団化し、しかも俊敏にもなったミミズは雨に濡れた地面から這い出して町の住民に襲いかかった。うかつな農夫はミミズの大群の前で足を滑らせてはらわたを食われ、藪に隠れて不純異性交遊に励む男女はミミズに囲まれて絶叫を放ち、浴室に入った娘はシャワーヘッドのあり得ないほど大きな穴から飛び出すミミズの雨に洗われた。次々と上がる悲鳴は次々に途絶え、町は墓場に変わっていく。
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