The Adjustment Bureau
2011年 アメリカ 106分
監督:ジョージ・ノルフィ
上院選に出馬したデヴィッド・ノリスは選挙終盤で失速し、敗北演説について考えているときに運命の女性エリース・セラスと出会い、二人は本能的に引き寄せられて恋に落ちるが、二度目の出会いを阻む運命があり、その運命がうまく機能しなかったせいで二人は二度目の出会いを果たし、人間の運命を監視している調整機関がこれはたいへんだということで訂正に取りかかり、訂正する現場を目撃したことで運命の舞台裏について知ることになったデヴィッド・ノリスは運命にさからって出会いを求め、三年がかりで三度目の出会いを果たすので、今度は調整機関の上層部が動いて二人の出会いを引き裂きにかかり、つまり運命とは定められたものか、それとも自ら切り拓くものかというところで見解を異にするデヴィッド・ノリスは調整機関に挑戦する。
フィリップ・K・ディックの原作『調整班』は未読。デヴィッド・ノリスがマット・デイモン、エリース・セラスがエミリー・ブラント。マット・デイモンの無我夢中という感じの表情がいい。対する上層部で登場するのはテレンス・スタンプなのでけっこう怖い。シンプルなアイデアを手堅く膨らませた脚本はよくまとまっているし、運命の舞台裏という破天荒なイメージは視覚的にも面白い。なかなかによくできた映画だと思う。
Tetsuya Sato