Hercules
2014年 アメリカ 98分
監督:ブレット・ラトナー
難題を克服してきたヘラクレスとその仲間は傭兵をして引退資金を稼いでいたが、そこへトラキア王の娘が現われてトラキアの惨状を訴え、破格の報酬を提示しながら平和の回復のために手を貸してほしいと頼むので、ヘラクレスとその仲間はトラキアへ出かけてトラキア王と面談し、トラキア王の軍勢に訓練をほどこして使えるレベルに仕立て上げ、トラキア王の指示を真に受けて敵対勢力と交戦してトラキアに統一をもたらすが、実はトラキア王こそが暴君でトラキアの平和を乱していることが明らかになると、ヘラクレスは報酬を投げ捨ててトラキア王に挑戦する。
ヘラクレスがドウェイン・ジョンソン、トラキア王がジョン・ハート、ヘラクレスの仲間のアムピアラオスがイアン・マクシェーン、アウトリュコスがルーファス・シーウェル。ドウェイン・ジョンソンはいかにもドウェイン・ジョンソンという感じの明確なヘラクレス像を提示している。イアン・マクシェーンがとぼけた感じを出していて、ルーファス・シーウェルが意外といいところをさらっていく。ジョン・ハートのいかにもトラキアじみた悪役というのも楽しいし、全体に配役はよくできていると思う。個々のアクションシーンも作り込まれていて、画面がよく動いている。ヘラクレスが戦ってきた怪物のたぐいが伝聞のなかにのみ登場し、現在進行形で指摘される怪物も遭遇するとリセットがかかるというモダンな解釈も悪くない。時代がなぜかヘレニズムになっている、という奇妙な設定は真意がよくわからないが、これはおそらく原作コミックをそのまま引き継いだものであろう。おおむねにおいて悪くない仕上がりだとは思うものの、たぶんどこかに演出のむらがあって、比較的短い尺で、内容も一応詰まっているにもかかわらず、途中でいきなり眠たくなった。
Tetsuya Sato