Transformers: Revenge of the Fallen
2009年 アメリカ 147分
監督:マイケル・ベイ
前作から二年、人類はオートボットと協力して特殊部隊NESTを組織してディセプティコンに対抗し、サム・ウィトウィッキーは大学生になって寮に入り、一万七千年前の因縁を抱えてディセプティコンの統領が宇宙から飛来し、世界遺産は『チームアメリカ』と並ぶ勢いで破壊され(しかもそれが冗談になっていない)、例によって文官はまったく無能なので最後は軍部が暴走し、ディセプティコンと陸海空で大戦闘。アメリカ軍のリソースがかなりの量で投入され、だからなのか、そうするためにそうなったのか、軍事的な色彩がきわめて強い。そのあたりの描写も力が入り、それはそれで見ごたえがあったが、最後の大戦闘になってくると延々と続く騒音にこちらはいつの間にかヒポコンデリーに陥っていた。
学園ものに足をかけたコメディなのか、いささか硬直した軍事SFなのか、どちらかに決めろと言うつもりはないものの、両極に振り切ったところの落差が激しく、そのせいでどうにもひどくバランスが悪い。盛り込めるだけ盛り込んだのはもしかしたら偉いのかもしれないし、とにかくテンポが速いのはありがたいが、それにしてもがさつであろう。
Tetsuya Sato