Frankenstein
1931年 アメリカ 71分
監督:ジェームズ・ホエール
フランケンシュタイン男爵の息子ヘンリーは美しい婚約者エリザベスのことも省みずに助手のフリッツとともに灯台にこもって自然に反する実験を続けている。不安を感じたエリザベスは友人のヴィクトル、ヘンリーの恩師ウォルドマン博士とともにヘンリーの実験室を訪れるが、すでに雷雨は頭上に達し、ヘンリーは自ら作り上げた怪物に命を吹き込もうと身構えていた。突然の来客にヘンリーは狼狽するが、ヴィクトルから狂人呼ばわりされたら引き下がれず、来客を証人にして実験を進め、見事に怪物を作り上げる。だがヘンリーの父親フランケンシュタイン男爵にとって気がかりは息子の結婚であり、ヘンリーは男爵によって家へ引き戻される。そしてヘンリーとエリザベスとの結婚式の当日、怪物は実験室の留守を預かっていたウォルドマン博士を殺害し、村へさまよい出るのであった。
火急の状況に差し掛かると必ずやってくる来客、フランケンシュタイン男爵(父)の妙に世慣れた風情、とジェームズ・ホエールの演出は乗りの点でどこかシットコムを思わせる。ボリス・カーロフは怪物を熱演し、たぶん子供の頃に見たら、あの断末魔は相当に怖かったと思う。同じ年の作品としては『魔人ドラキュラ』よりもこちらのほうが上であろう。
Tetsuya Sato