Pirates of the Caribbean: On Stranger Tides
2011年 アメリカ 141分
監督:ロブ・マーシャル
世界のどこやらに生命の泉というものがあり、それをスペインが狙っていると気づいた英国はジャック・スパロウを捕えて泉への道案内を要求するが、ジャック・スパロウは逃げ出して海賊黒ひげの娘アンジェリカと出会い、そのアンジェリカによって海賊黒ひげの船に強制徴募され、その海賊黒ひげもまた泉を目指し、英国側に寝返ったバルボッサ船長はジャック・スパロウの航海士ギブスに案内させて泉を目指す。
ロブ・マーシャルの演出はシチュエーションを順番につなぐだけで洒落っ気のかけらもない。キャラクターは全体に後退気味で、ジェフリー・ラッシュはバルボッサ船長の役に退屈しているようだし、ペネロペ・クルスの女海賊は整理が悪く、ジャック・スパロウにいたっては事実上ただいるだけという有様である。もっぱら海戦シーンでもっていたこのシリーズなのに今回は海戦シーンがまったくない。海賊映画なのに大砲一発撃たないまま、もっぱら地面を這いずっている。アクションはむやみと多いものの、どこを取っても切れが悪く、退屈で、人魚の集団のあくまでも非人間的な描写と泉を目指して進むスペイン側の意外なまでに正直な動機を除くと見るべきところがあまりない。
Tetsuya Sato