2014年1月24日金曜日

ナチスが最も恐れた男

ナチスが最も恐れた男
Max Manus
2008年 ノルウェー 113分
監督:エスペン・サンドベリ、ヨアヒム・ローニング

学業を中途でやめて冬戦争に義勇兵として参戦したマックス・マヌスは祖国ノルウェーがドイツの占領下に置かれるとオスロでレジスタンスに参加して祖国解放を訴えるプロパガンダの新聞などを印刷したり配ったりしていると逮捕されかけて窓から飛び出して怪我をして病院に担ぎ込まれて警官の監視の目を盗んで窓から逃げ出してノルウェー亡命政府の兵士となってスコットランドで訓練を受けてノルウェーに戻ってドイツの船舶を爆破し東部戦線に送られる同胞を救うために徴兵名簿を焼き大戦末期にさしかかるとドイツ軍の西部戦線への移動を阻止するために客船を沈没させたりして戦後は喪失感と虚無感に悩む。
演出自体に格別の創意は認めにくいものの、ノルウェーの抵抗運動の英雄をなにかしら人格的に描くというもくろみは一応成功しているように見える。ただ大戦の全期間にわたる状況を扱っているために駆け足に感じられるところがないでもないし、周辺人物の描き込みはおそらく不足している。抵抗運動が主体なので戦闘シーンに派手さはないが、冒頭のフィンランドのシーンはやる気が感じられるし、市街、屋内での銃撃戦も迫力がある。ドイツ軍の車両はキューベルワーゲン、シュビムワーゲン、ケッテンクラートなど。一瞬、三号突撃砲が顔を出していたような気がする。 


Tetsuya Sato