Het Bombardement
2012年 オランダ 105分
監督:アート・デ・ジョン
1940年5月、屋根裏部屋で肺病の兄と一緒に暮らしてパン焼き職人の見習いとホテルのベルボーイを兼業しているボクサー志望で崩壊家庭出身の青年がオランダ人実業家と結婚するためにロッテルダムにやってきたドイツ娘に出会って身分違いの恋をしているとドイツ軍が侵攻してきて市街地でぽつりぽつりと戦闘が始まり、するとどこからともなく腕章をした愛国者が這い出してきて、それドイツ女だ、あの野郎は裏切り者だというようなことになり、主人公やその恋人や恋人の家族やオランダの悪い実業家やオランダの官憲やオランダの厳格なプロテスタントやオランダ軍やドイツ軍などが一緒になって頭の悪さを隠しもしないで海抜の低いところをうろうろするので、見ているこちらは早くこの連中を吹っ飛ばしてくださいと祈っているとドイツ空軍がかなり重たい腰を上げて爆撃機の編隊を組んで現われてロッテルダムを破壊する。
ばかげた脚本、鈍感な演出、魅力のない出演者、と見どころはたっぷりで、クライマックスの爆撃シーンも格別の迫力はない。ところどころに開戦当初のオランダの奇妙な風景がはさみ込まれていて、誰も期待しないようなくだらないストーリーなどを追うのはやめて、そうした風景を小刻みに山ほども並べていったらよほどましな映画になっていたのではあるまいか。
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Tetsuya Sato