Monsters University
2013年 アメリカ 110分
監督:ダン・スキャンロン
学校で仲間はずれにされていたマイク・ワゾウスキはモンスターズ・インクを見学したことで怖がらせ屋になる夢を抱き、やがて成長すると夢を実現するためにモンスターズ・ユニバーシティに入学して勉強に励むが、怖がらせることにそもそも向いていないということを学長に指摘され、同じく新入生で怖がらせ屋の名門の出身であるジェームズ・P・サリバンが言わば才能を鼻にかけてマイク・ワゾウスキにからむので、マイク・ワゾウスキとジェームズ・P・サリバンはつまらないことから学長が見ている前で事故を起こしてともに怖がらせ学部から追い出され、学部への復帰を望むマイク・ワゾウスキは学内の怖がらせ大会への出場を決め、ただしそのためにはソサエティに参加する必要があったのではみ出し者ばかりのカッパ・クラブに入り、カッパ・クラブの人数が足りないせいで怖がらせ大会にエントリーできずにいるとジェームズ・P・サリバンがそこに加わり、マイク・ワゾウスキとジェームズ・P・サリバンはいがみ合いながら友情をはぐくみ、怖がらせ大会を勝ち抜いていく。
マイク・ワゾウスキが率いるカッパ・クラブに対抗するのがエリートばかりのオメガ・クラブで、つまりよくある大学ソサエティ対抗ものの定式を素直になぞりながら、それなりのアイデアを盛り込んでかっちりとまとめている。美術は例によって非常に精緻だし、アニメーションは美しいし、キャラクターはよく造形されているし、周辺人物のコミカルな挙動は素朴に楽しいし(特にスコットのママが素敵)、マイク・ワゾウスキが紛れ込む人間世界のキャビンで暗闇を割って現われる子供たちはなにやら恐ろしい(ちょっと『ハッピーフィート』を思い出した)。
ということで単体で見れば水準以上の作品に仕上がっているが、ディズニーのキャラクター・マーチャンダイジングの枠のなかにおとなしく収まっているように見える。残念ながらアニメーションがもたらす驚きはない。
Tetsuya Sato