2013年7月31日水曜日

カーツーム

カーツーム
Khartoum
1966年 アメリカ・イギリス 134分
監督: ベイジル・ディアデン、エリオット・エリソフォン

19世紀末、ムハンマド・アリー朝エジプトのスーダンでアラブ人の反乱が起こり、エジプトがこの問題に対処できなかったため、エジプトに対して影響力を行使するイギリスはエジプトにスーダンの放棄を提案し、エジプトに義理立てする必要から、カーツームに駐屯するエジプト軍の撤退を支援するためにチャールズ・ゴードン将軍を送り込むが、ゴードン将軍がカーツームに到着したときにはマハディ率いる反乱軍がカーツームの包囲を進めていて、ゴードン将軍はマハディと直接交渉することで退路を確保しようと試みるが、救世主を自称するマハディはカーツームのエジプト人を全滅させることに神の意思を認めていて、神の道具であることを自認するゴードン将軍は自分以外にも神の道具がいることを知って衝撃を受けるとともにエジプト軍の撤退がきわめて困難であることを知り、篭城の準備を進めながらイギリス本国に軍事的支援を要請するが、グラッドストーン政権はゴードン将軍に状況をかき回されることを嫌って時間を稼ぎ、本国が状況を正しく認識していないと考えたゴードン将軍は交渉のために副官をイギリスに送り、軍部と世論を味方につけてどうにか支援を取りつけるが、派遣された部隊は政府の命令にしたがってエジプトで時間をつぶし、そうしているあいだにナイル川の水位が下がってゴードン将軍が作った掘も乾き始めるので、ゴードン将軍はヨーロッパ系市民を船で脱出させ、その船がいっこうに到着しないということに気がついたエジプトのイギリス軍は少々あわてて先発隊をナイルの上流に送り、イギリス軍の動きに気がついたマハディは大軍勢でカーツームに襲いかかる。
ゴードン将軍がチャールトン・ヘストン、マハディがローレンス・オリヴィエ。シネラマ(公開当時)の大作だが、ベイジル・ディアデンの演出は力に乏しく、せっかくお金をかけた戦闘シーンも迫力がない。チャールトン・ヘストンのゴードン将軍は非常にいいが、ローレンス・オリヴィエのマハディは演技プランに混乱が見える。凡庸な作品だが基本的な構成や脚本には問題がないと思うので、監督が違っていたら傑作になっていたかもしれない。エキゾチックな描写は豊富で、近代エジプト軍の各種装備などは面白い。


Tetsuya Sato