xXx: State of the Union
2005年 アメリカ 101分
監督:リー・タマホリ
NSAの支部が襲撃を受けるので、オーガスタス・ギボンズ大佐は刑務所で服役中の海軍大尉ダリウス・ストーンを新たなトリプルXに任命すると、そこから先はもうほとんど脈絡なしにアクションの連続になる。
悪役は鳩派の大統領を亡き者にしようとたくらむ国防長官ウィレム・デフォー。話はアメリカ国内でのみ進行し、それでは別にトリプルXでなくてもよいのではないか、という気がしないでもなかったが、テンポは速いし元気もよいので、だったら別にいいじゃないか、というのが素朴な感想である。
アイス・キューブのトリプルXはヴィン・ディーゼルに比べるとちょっと上品になりすぎているかもしれないし(やらしいことは一度もしない)、一作目にあったような破格のスタントはここではほとんど見受けられない。代わりにカスタムメイドの特殊部隊や秘密兵器が登場し、二重砲塔戦車M5などといういかがわしい代物が空母インディペンデンス上を走り回り、APCをカタパルトで射出して戦車をやっつけるといった具合にギミックとそこから派生したアイデアがなかなかに楽しめるものになっている。それにしてもいまどきは軍隊が反乱を起こしたりすると、自由を守るために立ち上がるのはラッパーの自動車泥棒なんだねえ。悪い戦車が目の前に現われると瞬時にジャッキアップして行動を奪い、ハッチを破壊し、乗員をホールドアップして盗んでいた。
Tetsuya Sato