Taken 2
2012年 フランス 91分
監督:オリヴィエ・メガトン
ブライアン・ミルズの行動によってアルバニア山中某所では多くの者が父を失い、あるいは子を失うことになったので、アルバニア山中某所を根城とするひとびとはブライアン・ミルズに復讐を近い、イスタンブールに現われたブライアン・ミルズとその元妻、娘に襲撃をかけてブライアン・ミルズと元妻を拉致監禁し、拘束されたブライアン・ミルズは襲撃を逃れた娘を遠隔操作して武器を手に入れると自分を捕らえた一味を殺害、まず娘をアメリカ大使館に避難させ、一味の手中に残された元妻を救うためにイスタンブールの町を走る。
一作目に引き続きブライアン・ミルズがリーアム・ニーソン、元妻レノーアがファムケ・ヤンセン、娘がマギー・グレイス。アルバニア人の側に動機付けが加わった結果、一作目にあった直線的な構造は失われ、その結果、娘をさらわれてぶちきれた父親が手段を選ばずに突進するという勢いも失われた。アクション映画としての水準はクリアしているが、あの傑作の続編ということになると、どうにも分が悪い。
どうせならナンセンス路線で一歩進めて、夫や息子を殺されたアルバニアの女たちが号泣しながら石を握って、どこまでもどこまでもわらわらと追いかけてくる、というような作りにして、それがまるでエリニュスのように恐ろしい、というところまでやれば面白かったのではないか、という気がしたが、つまり見ているあいだにそういうことを考え始める程度にテンションは低い。
Tetsuya Sato