2013年6月9日日曜日

G.I.ジョー バック2リベンジ

G.I.ジョー バック2リベンジ
G.I. Joe: Retaliation
2013年 アメリカ 111

パキスタンで内乱が起こってパキスタンの核の管理を憂慮するという理由でアメリカはG.I.ジョーをパキスタンに送り込んで核弾頭を確保するが、撤収を待つG.I.ジョーに攻撃ヘリの大群が襲いかかり、ロードブロックほか2名を残してG.I.ジョーは全滅、ザルタンが化けた大統領はG.I.ジョーの反逆を宣言し、ドイツの刑務所に潜入したストームシャドーはコブラコマンダーを解放、コブラの勢力がアメリカ政府の中枢に入り込み、帰国を果たしたロードブロックは元祖G.I.ジョーに応援を頼み、別行動を取るスネークアイズはストームシャドーをさらって東京へ運び、嵐影流総本家のマスターがストームシャドーの行動のそもそもの起点に間違いがあったことを明かしてストームシャドーを味方につけ、陰謀を進めるコブラは核保有国を一堂に集めて核兵器の廃絶を迫り、各国が核兵器を自爆させるとコブラが用意した衛星兵器ゼウスが地上を狙ってロンドンを壊滅させ、そこへロードブロック率いるG.I.ジョーとストームシャドーが会議場に殴り込む。
ロードブロックがドウェイン・ジョンソン、元祖G.I.ジョーがブルース・ウィリス、ジョセフ・ゴードン=レヴィットとデニス・クエイドは降板し、だからコブラコマンダーはマスクが変わって軽くなり、G.I.ジョーは司令官を失っている。
G.I.ジョーは司令官を失っただけではなくて砂漠の秘密基地も失っていて、パキスタン侵攻の場面ではいちおうVTOL機を飛ばしているものの、一作目にあった玩具感はほぼ完全に消滅していて、もしかしたら『ダイ・ハード6』になっているのではないかという予感ははずれていたが、要するにドウェイン・ジョンソン主演のただのアクション映画になっている。もちろんドウェイン・ジョンソンは魅力的だし、アクション映画としての水準もいちおうクリアしているが、玩具感を欠いたところで忍者が絶壁を飛び跳ねながら戦ってもG.I.ジョーがデルタフォースとさして変わりのない特殊部隊のような扱いになっていているせいで、そこでいきなり忍者という唐突さがどうにもうまく咀嚼できない。
勝手なことを言わせてもらえば玩具感を投げ捨てたところにまず観客に対する裏切りがあり、チャニング・テイタムを冒頭で退場させて、バロネスは影すら登場しない、というところにもう一つ裏切りがある。その言い訳のように変な格好のコブラ軍団の戦車が登城するが、平場に配置された戦車が得意そうに背伸びをしてもたいした意味は認められない。 

Tetsuya Sato