2007年 アメリカ/日本 96分
監督:井口昇
両親が自殺したあと弟と二人で暮らす日向アミはその弟がヤクザの息子にいじめ殺されたことで行動を開始し、穏やかにことを進めてふつうに警察沙汰にしようという目論見は関係者の反発によってふっつりと切れ、状況によっては殺人もまた必要であるという自覚にもとづいて自分に反発した関係者を殺戮し、反撃にあって腕を失うと自動車修理工の夫婦に助けられ、自動車修理工の手で作られたマシンガンを失った腕に装着すると不良、ヤクザ、その他関係者の群れに立ち向かう。
序盤で始まる回想と本編との関係に若干の破綻が見えるような気がしないでもないが、出演者は総じて乗りがよく、演出もおおむねにおいてパワーが持続する。執拗かつキッチュなスプラッター表現はしらふで見ていると見ているうちに飽きてくるが、これはギミックの使い方にいくらかの単調さがあるせいなのではあるまいか。ダミーのできの悪さも含めてそのあたりが気になったものの、全体から言えば悪くないし、かなりがんばっていると思う。
Tetsuya Sato