2013年6月23日日曜日

砂漠でサーモン・フィッシング

砂漠でサーモン・フィッシング
Salmon Fishing in the Yemen
2011年 アメリカ 124分
監督:ラッセ・ハルストレム

英国農業水産省に勤める水産学者フレッド・ジョーンズ博士のところへ英国の投資会社に勤めるハリエット・チェトウォド=タルボットからイエメンの川でサケ釣りをするプロジェクトについて打診があり、ジョーンズ博士は科学的な理由からプロジェクトの可能性を否定するが、アラブ諸国との関係改善に使えるネタを探していた首相官邸がこれに目をつけて農業水産省に圧力を加え、農業水産省はジョーンズ博士に圧力を加えるのでジョーンズ博士はハリエット・チェトウォド=タルボットと面談し、さらにプロジェクトの言いだしっぺであるイエメンのシャイフとも会って、理想化肌のシャイフの言葉に押されて積極的にプロジェクトに関わっていくことになるが、ジョーンズ博士が要求した一万匹のサケの捕獲を環境庁が拒絶し、農業水産省が環境庁に圧力を加えると環境庁は釣り雑誌に情報を流して全英の釣り人の怒りを誘い、凶暴無比な釣り人の圧力に屈した英国政府は天然のサケの代わりに養殖のサケを放流することをイエメンのシャイフに提案するが、シャイフが拒絶するので英国政府はプロジェクトから離れ、ジョーンズ博士は農業水産省を辞めるとみずからの直観にしたがって養殖のサケでも川を遡行する可能性があることをシャイフに訴えるので、シャイフはジョーンズ博士の意見を受け入れて一万匹のサケをイエメンに運んで生簀に放し、いよいよ放流というときには関係改善をアピールするために英国政府関係者、マスコミ多数が現地を訪れ、シャイフの合図で生簀のサケがついに川に放たれる、という話にジョーンズ博士と妻との関係、ハリエット・チェトウォド=タルボットと恋人との関係、ジョーンズ博士とハリエット・チェトウォド=タルボットとの関係、首相広報官の暗躍などが織り込まれる。
朴念仁風の水産学者がユアン・マクレガー、投資コンサルタントがエミリー・ブラント。ラッセ・ハルストレムの演出は安定感があり、時間を無駄に使わずに周辺人物や多様な状況まで手際よくまとめている。 


Tetsuya Sato