2013年3月7日木曜日

タワーリング・インフェルノ

タワーリング・インフェルノ
The Towering Inferno
1974年 アメリカ 165分
監督:ジョン・ギラーミン、アーウィン・アレン

サンフランシスコに地上135階建てのグラスタワーが完成し、最上階のラウンジで完成式典がおこなわれようとしていたが、この建物は建設費用を浮かせるためにあちらこちらの電気系統に被膜のない安いケーブルを使っていて、せいで電気が流れると加熱して簡単に発火するような状態になっていて、ビルの設計者ダグ・ロバーツはその事実に気がついて建設会社の社長ジェームズ・ダンカンに報告し、これは社長の娘婿が不正をおこなった結果であると非難するので、ジェームズ・ダンカンは娘婿に対して怒りを覚えるが、ダグ・ロバーツの心配は杞憂であると断じて竣工式典を決行し、しかし式典の開始に先立って81階の倉庫で火災が発生し、ところが警報装置が作動しない、スクリンプラーも作動しない、非常階段への出入り口はコンクリートで埋まっている、という有様で、つまり手抜き工事だらけなのである。いったいどうやって消防の検査をくぐり抜けたのかと疑問を抱きたくなるわけだけど、それはそれとして最上階では式典が始まり、地上では消防隊が出動し、消防隊長マイケル・オハラハンはジェームズ・ダンカンに対して式典会場を一階に変更するように要請する。だがそのときには延焼が始まっていて、式典の出席者は退路を絶たれ、消防隊からも犠牲者が続出する。救出ヘリコプターは屋上への接近を試みて爆発を起こし、そのせいで屋上は火の海となり、隣のビルから渡した脱出用のゴンドラは娘婿の悪事のせいで墜落し、消火活動は限界を超え、延焼を食い止めることは不可能になり、最後の手段で屋上にある貯水施設を爆破する。
ジェームズ・ダンカンがポール・ニューマン、消防のマイケル・オハラハンがスティーブ・マックイーン。オールスターのキャストを目配りよく配置していて、特にその点で手間のかかった大作ではあるが、大味は否めない。リチャード・チェンバレン扮する娘婿が一人で悪役というのも気の毒な気がした。





Tetsuya Sato