The Cabin in the Woods
2011年 アメリカ 95分
監督:ドリュー・ゴダード
男女5人の若者が週末を過ごすために人里離れた場所にある山小屋を訪れ、山小屋の地下室で見つけた古い日記に記された呪文を口にしてみると地面の下からなにやら這い出て恐ろしいことになる、という例によって例のごときお約束どおりの状況のすぐ外側に男女5人をモニターで監視し、姑息な手段で薬物を投与して興奮させたり判断能力を低下させたり、不純異性交遊を進展させるためにフェロモンをまいたりしている人たちがいて、しかもこの人たちの仲間はどうやら世界中にいて、日本でも同時進行で小学校を舞台に日本製ホラーのようなことをやっている、という話で、この二重底も開けてしまえば『ミッドナイト・ミート・トレイン』と同じような、つまりそれはそれで例によって例のごときお約束どおりの展開になるわけだけど、にもかかわらず日常を引きずったお仕事映画ぶりがなかなかに楽しい。
監督は『クローバーフィールド』の脚本のドリュー・ゴダード。脚本はドリュー・ゴダードと『アベンジャーズ』のジョス・ウェドンの共同で、特にジョス・ウェドンについては『セレニティ』を見て以来、造形力にちょっと感心しているようなところがあって、そこが今回も発揮されてしっかりと頭を使っている雰囲気があり、ダイアログはおおむねジョス・ウェドンのテイストで、なんとなく間の抜けた感じが悪くない。反面、演出はやや理に落ちたのか、少々おとなしめだが、終盤のモンスター総登場と大虐殺はかなり力が入っているし、しかも状況を説明するためにあのひとまでが登場する。もう少し突き抜けた感じがあってもよかったのではないか、という気がしないでもないものの、これはこれである意味、傑作というべきであろう。