The Front Page
1974年 アメリカ 105分
監督:ビリー・ワイルダー
シカゴ・エグザミナー紙の敏腕記者ヒルディ・ジョンソンは記者業に終止符を打って婚約者ペギー・グラントと結婚しようとしていたが、それが面白くない編集長ウォルター・バーンズがいろいろと仕掛けて引き止めようとしているうちに脱獄囚アール・ウィリアムズが現われる。
新聞社を舞台にしたコメディで、ベン・ヘクトとチャールズ・マッカーサーによる戯曲の映画化である。ルイス・マイルストンによる最初の映画化(『犯罪都市』1931年)は未見だが、ハワード・ホークスによる二度目の映画化(『ヒズ・ガール・フライデー』1940年)よりもわたしはこのほうが好きかもしれない。ヒルディがジャック・レモン、バーンズがウォルター・マッソーで、この二人の命ぎりぎりみたいな掛け合いがもう壮烈で、画面に向かって思わず拍手していた。ちなみにこの映画の撮影ではビリー・ワイルダーがあまりにひどくしごくので、ウォルター・マッソーはほとんど神経衰弱のような状態に陥って、隣で撮影中の別の映画のセットに逃げ込んで、ついでに客演もした、というのが『大地震』という噂は本当なのか(たしかに一瞬だけ顔を出している)。
Tetsuya Sato