Earthquake
1974年 アメリカ 123分
監督:マーク・ロブスン
ロサンゼルスを大地震が襲う。
公開当時、某シネラマ劇場のスクリーンの前にはセンサラウンド・スピーカーがずらりと並び、それを見た中学生のわたしは思わず興奮したものだ。そしていよいよ地震が起こるとスピーカーから低周波振動が流れ出し、10分以上にもわたって観客の内臓をびりびりと揺さぶるのであった。一緒に見にいった友人はそもそも腹具合がよくなかったので、途中でお腹が痛くなってトイレに駆け込まなければならなかった。
オールスター・キャストの大作には違いないが、ご都合主義が目立つ駄作である。脚本にマリオ・ブーヅォが参加しているようだけど、手を抜いていたのでなかったら、眠っていたとしか思えない。巨大地震のあとで避難所を壊れかけた高層ビルの地下三階にわざわざ作って、そこへ余震が襲って避難所の人々が閉じ込められて、という不自然な設定はあまりにも不自然と言うべきであろう。ダム決壊シーンのミニチュアはちゃちだし、地震後の市街は家の前にがらくたを並べてなにやら壊れているように見せかけているだけ、地震そのものよりもエヴァ・ガードナーの厚化粧の方がこわかった。
Tetsuya Sato