2013年3月19日火曜日

シンドバッド黄金の航海

シンドバッド黄金の航海
The Golden Voyage of Sinbad
1974年 アメリカ・イギリス 102分
監督:ゴードン・ヘスラー

航海中のシンドバッドは上空を飛ぶ怪しい鳥を発見し、鳥が甲板に落としていった謎のメダルを拾い上げ、海へ捨てたほうがいいといさめる部下の声には耳を傾けずに我が物にして首から下げる。すると夢に怪しい影が現われて自分の名を呼び、船は嵐にもまれて航路をはずれ、マラビアの国へ流される。上陸したシンドバッドは謎の男に襲われてメダルを奪われそうになり、難を逃れてマラビアの都へ入っていくと、そこで首相の出迎えを受ける。首相の説明によればマラビアにはサルタンがなく、首相がサルタンの地位を継ぐには謎を解く必要があったが、その謎はまだ解けていない。そしてマラビアは悪魔の王子クーラに王位を狙われており、そのクーラこそ海岸でシンドバッドを襲った男であった。ということでシンドバッドはメダルにひそむ謎を解き、首相と謎の美女を船に乗せて謎の島レムリアを目指し、クーラとその従僕もまた船を雇って追いかける。
展開はよどみがなく、テンポが速い。主演のジョン・フィリップ・ローはやや魅力に欠けるが、そこは脇に立つキャロライン・マンローがたっぷりと補っているし、クーラに扮したトム・ベイカーの魔術師ぶりがなかなかに楽しい。ハリーハウゼンの仕事ぶりについて言えば、マンドレイクの根と人血から造られ空を飛ぶホムンクルス、動き出す船首像、ケンタウロス対グリフォンの戦い、六本の剣を手に襲い掛かる女神カーリという具合に見どころにはまったく事欠かない。しかも井戸から出現する全知全能の預言者はなんとロバート・ショーである。



Tetsuya Sato