Gambit
2012年 アメリカ 89分
監督:マイケル・ホフマン
印象派を専門とする美術品の鑑定士ハリー・ディーンは雇い主のメディア王シャバンダーに復讐するために趣味で贋作をしている少佐とともに一計を案じてモネの『積みわら』連作の一枚を製作し、それからはるばるテキサスまで旅をして、かつてゲーリングのコレクションと接近遭遇したアメリカ軍兵士の孫娘PJ・プズノウスキーを仲間に引き入れ、予定に反してなかなか罠にかかってこないシャバンダーの前にむりやりPJ・プズノウスキーを立たせてどうにか商談を進めようとするが、そうするあいだにシャバンダーはPJ・プズノウスキーを口説きにかかり、ハリー・ディーンのカードは限度額を超えて使えなくなり、ハリー・ディーンの能力を疑うシャバンダーはハリー・ディーンの解雇を決めて、ケルンの美術館から新たに鑑定士を招き寄せ、あとがなくなったハリー・ディーンは覚悟を決めてシャバンダーのパーティ会場に乗り込んでいく。
ハリー・ディーンがコリン・ファース、シャバンダーがアラン・リックマン、PJがキャメロン・ディアス。監督が『終着駅 トルストイ最後の旅』のマイケル・ホフマンで、脚本がコーエン兄弟。
笑えるところはいろいろとあるものの、90分という比較的短い尺であるにもかかわらず、だれ場が目立つ、というのはおそらく決定的に刈り込みが足りないせいであろう。コリン・ファースとアラン・リックマンは悪い意味でいつものとおりで、つまり芸域の狭さが見え隠れする。魅力がない。
Tetsuya Sato