47Ronin
2013年 アメリカ 121分
監督:カール・リンシュ
天狗の里で天狗に育てられたキアヌ・リーヴスは天狗の里から逃れて赤穂に現われ、その赤穂では家臣を率いる浅野内匠頭がなにやら『もののけ姫』な麒麟を狩り、野心を抱く吉良上野介は将軍徳川綱吉とともに赤穂を訪れて菊地凛子の妖術を使って浅野内匠頭の心を乱し、心が乱れた浅野内匠頭は寝床の吉良上野介に襲いかかって取り押さえられるので、浅野内匠頭は切腹、浅野家の家臣団は解散、所領は浅野内匠頭の娘ミカが継ぐが、野心を抱く吉良上野介がミカを嫁に迎えることを宣言し、綱吉から一年間の服喪を許されたミカは吉良上野介の人質になり、野心を抱く吉良上野介の手によって一年間を土牢で過ごした大石内蔵助は解放されると浅野家の家臣団をかき集め、なにやら『パイレーツ・オブ・カリビアン』な出島に渡って『300』な怪物と戦うキアヌ・リーヴスを仲間に加え、キアヌ・リーヴスの手引きによって天狗の里で武器を調え、そうして吉良上野介に襲いかかると菊地凛子の妖術によってあっけなく敗退するので生き残った47人が血判状に名を寄せて、これはほとんどモルドールではあるまいか、という感じでそびえる吉良上野介の城にさながら特殊部隊のように這い上がって野心を抱く吉良上野介に戦いを挑むと妖術を使う菊地凛子が龍に変身する。ちなみに菊地凛子はフェネックにも変身する。
美術と衣装は日本と中国を足して二で割ってから石岡瑛子をちょっと加え、どこかで見たようなファンタジー系のフレームをまったく考えずに手順どおりに展開し、視覚的にはあれやこれやとありもののイメージをつなぎ合わせて『GOEMON』の完成型に流し込んでいる、という雰囲気で、つまり目指したものがごった煮であるという性格からどうしても統一感は乏しいものの結果的には構造的にまとまっている。真田広之はそのまんまジャパンアクションクラブ、浅野忠信は軽い悪役を楽しそうに演じている。キアヌ・リーヴスはたぶん切腹がしてみたかっただけであろう。創意に恵まれた作品ではないが、それでもいろいろといじった結果が見えて、その範囲では面白い。