The Happening
2008年 アメリカ/インド 91分
監督・脚本:M・ナイト・シャマラン
人々がいきなり立ち止まったり言葉を失ったり自殺したりするようになったので高校の科学教師エリオットは妻アルマとともにフィラデルフィアを脱出するが、乗り込んだ列車は途中で立ち往生して見知らぬ田舎に放り出され、安全な場所を求めて野原を進んでいく。
難民化した市民が野原をさまようというきわめて古典的なB級SFのシチュエーションを驚いたことにほぼそのままの形で繰り返している。ところどころに織り込まれるサスペンス演出もきわめて古典的であり、つまり創意を疑いたくなる種類の演出であり、実を言えば、シャマランの映画でこのような粗雑さに遭遇するとはあまり考えていなかった。撮影、音楽にも粗雑さが見え、造形的な面での完成を認めることは難しい。
Tetsuya Sato