Divergent
2014年 アメリカ 139分
監督:ニール・バーガー
世界を崩壊させた戦争からおよそ100年後のシカゴ、人々は適性によって“勇敢”、“高潔”、“平和”、“無欲”、“博学”の5つのフラクションに振り分けられ、“勇敢”が警察・軍事行動を、“高潔”が司法を、“平和”が農業を、“無欲”が行政を、“博学”が知識と研究をそれぞれ担当し、血縁よりも所属するフラクションが優先され、フラクションを持たない者は難民化するしかない、という世界で“無欲”の家に生まれたベアトリスは適性試験で該当するフラクションが見つからない”異端者”であることがあきらかになり、試験を担当した“勇敢”の女性から真実を隠して生きるように告げられ、適性試験後のフラクションの選択で“勇敢”を選んだベアトリスは名前をトリスと変えて訓練を受け、トリスを気にかける男フォーの助けを得て”異端者”であることを隠したまま試験に合格、ところがこのとき“無欲”に政治権力が集中することを嫌った“博学”が“勇敢”と組んで行動を起こし、トリスの仲間は薬剤で自由意志を奪われて“無欲
”の居住地域に進撃し、事態に気づいたトリスとフォーは“博学”の野望に挑戦する。 トリスがシェイリーン・ウッドリー、フォーがテオ・ジェームズ、トリスの母親がアシュレイ・ジャッド、“博学”の悪役がケイト・ウィンスレット。ティーン向けディストピア設定ということで、どうせ『ハンガー・ゲーム』のようなものであろうと思って見始めたが、冒頭の荒廃イメージからしてすでに格が違っていた。都市景観、車両、鉄道、まるで無印良品のカタログから出てきたような”無欲”の住環境、刑務所を思わせる”勇敢”の住環境など、美術面で工夫があり、ストーリーも古典的ではあるが、よく考えられている。ちなみにここで”異端者”というのは、要するに放っておくと別解をしてしまうひとみたい。2時間20分はやや長いものの、密度が高いので退屈はしない。
Tetsuya Sato