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初めはわずかな数でしかなかったが、やがて大きな数になった。ミュンは荒れ野に練兵場を作り、杖を抱えた予言者が白髪を乱してそこを走った。板で作られた壁を登り、縄をつかんで泥沼を飛び越え、地面に伏せて鉄条網をかいくぐった。予言者たちの頭上を実弾が飛び、ときにはうかつな者が頭を上げて弾にあたった。訓練を終えた予言者たちが姿勢を正してミュンの前を行進した。魔法をあやつる者が間もなく仲間に加わった。備蓄の魔法玉も十分な数に達していた。行動を始めるときが来た。未来を紡ぐべき言葉が実際に未来を紡ぐときが来た。
ミュンは参謀たちの前に地図を広げ、色鉛筆を使って丸を描き、丸から丸へと矢印を描いた。矢印に沿って予言者たちが動き始めた。街道の要所を占領して交通と通信を断ち、孤立した町や村を占領した。占領地域の住民を力強い予言の言葉でひざまずかせた。食糧を調達し、物資を押収し、武器を増やし、仲間の数を増やしていった。白髪の中に黒髪が混じり、男たちの隊列に女たちが加わった。ミュンは杖をふりまわす一群の老婆を山に送って山の民を襲わせた。無認可の魔法玉工場に火が放たれ、捕えられた男たちがミュンの前に引き出された。男たちは拷問を受け、チュンとの関わりを告白した。ミュンは男たちの話に価値を見出し、ただちに行動に移って一帯の魔法玉工場を自分の配下に組み入れた。平和と繁栄は突き崩され、チュンの王国は滅びの道を歩み始めた。予言が成就しつつある、とミュンが言った。
Copyright c2015 Tetsuya Sato All rights reserved.
ミュンは参謀たちの前に地図を広げ、色鉛筆を使って丸を描き、丸から丸へと矢印を描いた。矢印に沿って予言者たちが動き始めた。街道の要所を占領して交通と通信を断ち、孤立した町や村を占領した。占領地域の住民を力強い予言の言葉でひざまずかせた。食糧を調達し、物資を押収し、武器を増やし、仲間の数を増やしていった。白髪の中に黒髪が混じり、男たちの隊列に女たちが加わった。ミュンは杖をふりまわす一群の老婆を山に送って山の民を襲わせた。無認可の魔法玉工場に火が放たれ、捕えられた男たちがミュンの前に引き出された。男たちは拷問を受け、チュンとの関わりを告白した。ミュンは男たちの話に価値を見出し、ただちに行動に移って一帯の魔法玉工場を自分の配下に組み入れた。平和と繁栄は突き崩され、チュンの王国は滅びの道を歩み始めた。予言が成就しつつある、とミュンが言った。
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