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所長の仲間に加わったとき、ギュンはすでに不満を感じていた。「ヒュンはわたしが作り出した怪物だ」とギュンはいつも話していた。「わたしがいなければヒュンはコソ泥で終わっていた」とギュンはいつも話していた。「だからわたしにはヒュンを始末する責任があった。わたしが生み出したのだから、わたしが終わらせなければならなかった。わたしの責任で、終わらせなければならなかった。権利ではなく」とギュンはいつも話していた。「責任だ。わたしは自分の責任を果たすために、まずあの化け物をなんとかしなければならないと考えていた。あの所長をなんとかしなければならないといつも考えていた」とギュンはいつも話していた。「わたしは魔法玉を隠していた。いつでも使えるように、ポケットの中で魔法玉を握っていた。刑務所で、限られた材料で作ったもので、お世辞にも質がよいとは言えなかったが、その辺で売られている魔法玉に比べれば、はるかに強力なものだった。わたしなら」とギュンはいつも話していた。「刑務所の限られた材料でも強力な魔法玉を作ることができるのだ」とギュンはいつも話していた。「所長がヒュンに近寄ったとき、わたしは魔法玉を取り出した。そして一瞬の躊躇もなく」とギュンはいつも話していた。「所長に魔法玉を投げつけた」
Copyright c2015 Tetsuya Sato All rights reserved.
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