Kill Bill: Vol. 2
2004年 アメリカ 136分
監督・脚本:クエンティン・タランティーノ
花嫁の復讐の話の続き。まずエルパソの教会における大虐殺の詳細が語られ、花嫁はビルの弟を狙って反撃に出会い、それやこれやがあって結末に至る。そのあいだに花嫁がカンフーの極意を習得していること、ダリル・ハナ扮するエルが左目を眼帯で覆っている理由、ビルの身の上、ビルの真意、花嫁の真意などが順次明らかにされ、カンフーの師匠が登場すると画面はいきなり70年代香港映画の粗さになり、カメラワークもまとまりを失い(ここはやはり昼組と夜組でカメラマンが違うという設定になっているのであろう)、砂漠でマカロニ・ウェスタン風の暴力シーンが登場すると、音楽がいきなりモリコーネになったりするのである。
自分の映画を好きな映画やそのサントラで再構築するという手法はいわゆる自主製作映画のそれであり、タランティーノが巨額の予算とスターを使ってやっていることも、つまりそういうことだとわたしには思える。意図的なばかばかしさは積極的に認めたいと思うし、実際のところ、まったく面白くないわけではないが、あまり趣味がよいとは思えない。ちなみに暴力的な場面のB級ぶりはB級を通り越してほとんどルチオ・フルチのようであった。
Tetsuya Sato