2014年4月19日土曜日

サテリコン

サテリコン
Fellini - Satyricon
1969年 イタリア 128分
監督:フェデリコ・フェリーニ

美青年エンコルピオは愛する美少年ジトーネを親友アシルトに奪われて怒りの言葉を浴場に散らし、ジトーネを取り戻してアシルトと縁を切ろうとするが、取り戻したジトーネはアシルトを選び、絶望するエンコルピオを地震が襲い、詩人のエウモルポは芸術の死を嘆き、俗物を罵りながらエンコルピオをトリマルチョーネの饗宴に招き、トリマルチョーネを罵るエウモルポは饗宴から追い出されてエウモルポとともに野に横たわり、エンコルピオは目覚めとともに兵士に捕らえられてアシルトとジトーネと再会し、船に運ばれると将軍に選ばれて将軍の夫となり、兵士の反乱で将軍の首は海に沈み、反乱を起こした兵士はジトーネをさらい、残されたエンコルピオはアシルトとともに荘園を訪れて自殺している夫婦を見つけ、野に出て多淫症の妻と交わり、他人にそそのかされてひとを殺すと両性具有の神童をさらい、陽の光にさらされて神童が死ぬと捕らえられてミノタウロスの前に投げ出され、危うく殺されそうになったところで自分が戦士ではなくて学生であることを主張するとミノタウロスはその理を認めて仮面を取り、エンコルピオは褒美としてアリアドネを与えられるが役に立たなかったので嘲笑を浴び、そこへ現れたエウモルポもエンコルピオの助けとはならなかったので、エンコルピオは魔女の力を借りるためにアシルトとともに沼を渡り、力を取り戻すと船に乗り込んでアフリカへ旅立つ。
ストーリーはほとんど意味がない。自由連想のように絵と音がつながれ、その連鎖にいわく言いがたいポエジーがあり、その不可解なポエジーは古代の壁画を基底に置きながらイメージをアフリカへつなげていく。奇怪な顔と奇怪なセットは悪夢のような印象を残すが、それでいて後味は妙にすがすがしい。 



Tetsuya Sato