2014年4月5日土曜日

ランナウェイ/逃亡者

ランナウェイ/逃亡者
The Company You Keep
2012年 カナダ 122分
監督:ロバート・レッドフォード

ベトナム反戦運動からテロリストに転じたグループが銀行強盗をして守衛を殺害し、殺人容疑で手配されて30年、名前を変え、身分を変えて市民生活に潜伏していると、そのうちの一人がいきなり自首することを決意してFBIに逮捕され、地元の新聞社の記者が事件を調べ始めると弁護士ジム・グラントの名が浮かび、記者がジム・グラントについて調べてみると、これはどうやらテロリストグループの一員であるニック・スローンではないかということになり、そのジム・グラント/ニック・スローンは娘を連れてニューヨークを訪れ、娘を弟に預けるとFBIの追跡を振り切って逃走し、かつての仲間を訪ねながら自分の潔白を明かすための旅を始める。 
ニック・スローンがロバート・レッドフォード、かつての運動仲間がジュリー・クリスティ、ニック・ノルティ、サム・エリオット、リチャード・ジェンキンス、スーザン・サランドン、弟がクリス・クーパー、事件の鍵を握る元警察官がブレンダン・グリーソン、FBI捜査官がテレンス・ハワード、新聞記者がシャイア・ラブーフ、というなんだかすごいキャスティングで、それぞれにいい味を出しているが、なかでもジュリー・クリスティーの革命家ぶりがちょっとすごい。いわゆる全共闘世代のじいさんばあさんがそれぞれに温度差を抱えながらひそんでいるあたりがなかなかに面白い。ロバート・レッドフォードの演出は誠実で、脚本は政治的なバランスが取れている。いい映画だと思う。

Tetsuya Sato