2014年4月7日月曜日

キル・ビル

キル・ビル
Kill Bill: Vol. 1
2003年 アメリカ 111分
監督・脚本:クエンティン・タランティーノ

エルパソのひなびた教会で大虐殺がおこなわれ、妊娠していた花嫁はただ一人生き延びて四年の後に昏睡状態から回復する。花嫁は復讐にとりかかり、まず沖縄へ飛んで引退した刀鍛冶服部半蔵を訪れ、事情を明かして最高の刀を譲り受ける。続いて東京へ飛ぶと、そこでは復讐すべき相手の一人オーレン・石井が姉御となってヤクザの一団を率いている。血統や国籍の問題を超越して自分の力で這い上がったからであったが、刀を手にした花嫁は石井が徒党を率いて青葉屋につどっているところへ襲いかかり、血糊と手足を撒き散らして子分どもを全滅させる。そして雪がはらはらと舞う日本庭園で石井と対決し、見事にこれを撃ち倒すと再び飛行機に乗り込んでアメリカを目指す。アメリカでもさらに一人を血祭りにあげるが、復讐の旅はまだ終わりではない。ビルが謎めいた台詞を残して話は次回へと続くのである。
先行作品に属するさまざまな要素をきわめて意欲的に取り込んで再構成し、一種、得体の知れない映像に仕立て上げることには成功しているが、本来ならば構築的であるべき部分を趣味の暴走にまかせた結果、どこかで見たような安手な映像を継ぎ接ぎしただけの(パワフルではあるが)安手な映画になってしまった。やりたいからやった、というのは十分な動機になるとしても全体のデザインが見えてこない。 



Tetsuya Sato