2013年8月4日日曜日

CASSHERN

CASSHERN
2004年 日本 141分
監督:紀里谷和明

50年にわたる戦争が終わり、亜細亜連邦はユーラシア大陸に支配権を確立したが、極端な民族政策を実行した結果、周辺各地で少数民族がテロリストと化し、云々というナレーションが流れ、戦争による汚染のせいで奇形や奇病がはびこり、その状況から国民を救い出すためにはなんとしても新造細胞の研究が必要云々という寺尾聰扮する科学者の長い長い説明が続き、陸軍所管の研究所でその研究が始まると、寺尾聰の息子の伊勢谷友介は父親に反発して軍隊へ飛び込み、民族紛争に巻き込まれて戦死を遂げ、研究所ではばらばらの人体パーツが勝手にくっつきあって人間となり、その頭目の唐沢寿明は新造人間と名乗って人類との戦いを宣言する。一方、寺尾聰は死んだ息子を新造細胞の培養液につけ込んで蘇らせ、生き返った息子はプロテクターをつけてキャシャーンとなる。
内容のないダイアログ(時間稼ぎ?)、脈絡のない映像(未来派?)、学芸会のような芝居、そうしたものをつなぎあわせてできあがったのは上映時間が2時間半近くもあるひどく退屈な映画である。いったい、このバカどもはなぜ必要もないのに(そしてできもしないのに)プロットを作ろうなどと考えるのか。映像面も見たようなガジェットばかりで新味はないし、どこまでいっても全体のデザインが見えてこないのですべてが無駄に終わっている。なぜただのタツノコにできなかったのか?(間違ってガッチャマン2になってしまったとしても、まだましではなかったか?)


Tetsuya Sato