Hellboy
2004年 アメリカ 122分
監督・脚本:ギレルモ・デル・トロ
1944年のスコットランド沖。ナチはラスプーチンの手を借りて冥界の門を開き、向こう側から混沌の神を呼び寄せようとしていたが、そこを米軍の部隊が襲撃、門は破壊され、襲撃部隊に顧問として同行していたブルーム教授は幼い魔物を拾い上げてヘルボーイと命名する。それから60年、ヘルボーイはFBIの超常現象調査防衛局の一員となり、日夜、魔物退治に励んでいる。そして一方ではラスプーチンが復活し、再び冥界の門を開こうとたくらんでいるのである。
ジョン・ハートのファンとしては、冒頭、ジョン・ハートの声を聞いただけでなんとなく嬉しくなってしまうのである。劇中でのジョン・ハートの使い方は格別芸のあるものではないが、それだけにこの俳優の存在を素朴に楽しむ余裕を観客に与えている。主役ロン・パールマン扮するヘルボーイは乗りがたいそうよろしくて、その前に惜しげもなくクトゥルーな化け物が投げ出されて、それが軽口とともに退治される光景は見ていてなかなかに楽しかった。プロットのもろさ、悪役の弱さ、など欠点を指摘することは簡単だが、それよりもトンデモないかがわしさをそれなりにまとめてしまったギレルモ・デル・トロの趣味に感謝したい。
Tetsuya Sato