Wyrmwood
2014年 オーストラリア 108分
監督:キア・ローチ=ターナー
ある晩、地球に流星が降り注ぎ、それから人類の大半がゾンビになり、町から逃れたバリーはほかの生き残りと合流して妹ブルックを助けにいこうと試みるが、ゾンビ出現とときを同じくして可燃物質が発火しなくなっている、という新事実に遭遇し、燃料がなければ車を動かせないということで困っていると、ゾンビの口から可燃性の気体が出ているという事実に気づき、だったらこれを燃料の代わりにということで捕まえたゾンビの口にマスクをあてて、呼気を燃やしながら出発する。
『マッドマックス 怒りのデス・ロード』にかこつけたような邦題がついているけれど、オーストラリア資本であるということと主人公たちがありあわせの防具を身に着けている、という以上の類似はない。全体にテンポが速く、構図もこなれていて、なぜゾンビが走るのか、というところにいかがわしい理由を与え、そこを利用するという点も含め、終盤に向かってアイデアが詰まっていく作りはとにかくパワーを感じさせた。スピエリッグ兄弟の『アンデッド』に比べるとややおとなしいが、『ステイク・ランド』や『ゾンビ大陸 アフリカン』などと並ぶ新世代のゾンビ映画だと思う。