Rise of the Planet of the Apes
2011年 アメリカ 106分
監督:ルパート・ワイアット
サンフランシスコの製薬会社で働くウィル・ロッドマンはアルツハイマーの治療薬を開発することに成功するが、その薬を投与したチンパンジーが暴れ出して射殺され、臨床実験は却下され、射殺されたチンパンジーが実は妊娠していたことが判明し、生まれ落ちたチンパンジーの赤ん坊はウィル・ロッドマンが個人的に引き取り、シーザーと名付けられたこのチンパンジーは間もなく高度な知性を発揮するようになり、母親に投与された薬が遺伝的に引き継がれたものであるとウィル・ロッドマンは推理して自宅にとどめて研究を続け、そのウィル・ロッドマンの父親は重度のアルツハイマーであったため、自分の薬の効果を確信したウィル・ロッドマンは父親に薬を投与し、薬によって父親の病状はいったん改善するものの、数年後、父親の体内に薬に対する抗体が生まれて病状が前よりも悪化することになり、その状態で隣人と事件を起こし、その事件にシーザーが関わったことでシーザーは施設に隔離されて残忍な管理人のいじめに遭い、シーザーはまず施設内のチンパンジーを糾合すると施設から逃れてウィル・ロッドマンの自宅に現われ、保管されていた薬を盗み出して施設の類人猿に与え、残忍な管理人を始末して施設から集団で脱走し、製薬会社に捕らわれているチンパンジーも解放すると新天地を目指してサンフランシスコの町を走る。
『猿の惑星 征服』のモダンなリメイクという感じであろうか。スケールは決して大きくないものの、面白くまとまっている。ジェームズ・フランコがいい感じで科学者を演じていたが、事実上の主演はシーザーを演じたアンディ・サーキスということになるのであろう。CGの類人猿が非常によくできている。演出はテンポが速く、余計なところに足をとめないで話を先へ進めていく。クライマックス、知性を高めた類人猿の集団がサンフランシスコの町を走る光景はなかなかに壮観で見ごたえがあり、ゴールデンゲイトブリッジでの警官隊との衝突も迫力のある場面に仕上がっているし、ヘリコプターの墜落シーンも堂に入ったものであった。ただ、自己犠牲で死んだ仲間のまぶたを閉じる演出はたぶんやりすぎで、感動よりは笑いを呼ぶ。
Tetsuya Sato