Heartbreak Ridge
1986年 アメリカ 130分
監督:クリント・イーストウッド
敗北状態に首まで浸かった海兵隊中隊に朝鮮戦争の英雄トム・ハイウェイ軍曹がやって来て実践を知らない若い兵隊を相手に勝つことを教え、初めは反発していた兵士たちも軍曹の教えによって勝つことの喜びを知るようになり、そうしていると1983年のグレナダ侵攻が始まるので、中隊もまたグレナダに上陸して合衆国市民の保護にあたり、キューバ軍と交戦する。
高校生が集団で小学生をいじめたようなグレナダ侵攻を肯定的に見ることはそもそも難しいわけだけど、アージェント・フュリーが発動された文脈を、つまり負けのこんだ者にはどれほど小さなことでもいいからとにかく勝つことの喜びが必要だという文脈を映画は正直に説明する。それはそれで引っかかるわけだけど、映画自体はほとんどジョン・フォード流といってもいいようなバランスの取れた「騎兵隊映画」になっていて、その範囲では悪いところはなにもない。
Tetsuya Sato