Beyond Rangoon
1995年 イギリス/アメリカ 100分
監督:ジョン・ブアマン
1998年、夫と幼い息子を殺害されて心に傷を負ったアメリカ人の女医ローラ・ボーマンは姉に誘われてビルマを訪れて古い寺院などを見学するが心が晴れないままラングーンに戻って眠れない夜を迎え、起き上がって外に出てみるとアウン・サン・スーチー女史が率いる民主化集会の真っ最中で、兵士が集会の妨害に出るのをアウン・サン・スーチー女史が非暴力で突破する様子を高い場所から眺めて感銘を受け、翌日出国しようとするとパスポートがなくなっていることに気がついて、空港まで姉を見送ったあと大使館でパスポートの再発行を受け、大使館からは速やかな出国を勧められたにもかかわらず、大使館の前で出会ったもぐりの観光ガイド、ウー・アウン・コーに誘われるままに郊外へ出てウー・アウン・コーがかつて僧侶をしていたという寺を訪れ、ウー・アウン・コーの車が故障したために村に足止めされ、ウー・アウン・コーの知人の家に招かれていってみると、そこには民主派勢力の学生たちが潜伏していて、ウー・アウン・コーにしてからがそもそもは大学教授だったことがわかり、そのウー・アウン・コーが手配されて学生たちはタイへの脱出を決め、ウー・アウン・コーはラングーンへ戻るローラ・ボーマンを村の駅まで送り届けるが、検問をしていた兵士がウー・アウン・コーの正体を見破ってウー・アウン・コーを打擲し、同行していた学生がウー・アウン・コーをかばって兵士に襲いかかり、兵士は学生を射殺、すでに列車に乗り込んでいたローラ・ボーマンはウー・アウン・コーを救うために列車から飛び出すとウー・アウン・コーを引きずって車を走らせ、ジープの追撃を受けて車を川へ沈めると近くの民家に助けを求めて筏に乗って川を下り、途中、軍による残虐行為を目撃しながらカレン族の支配地域に到達し、そこに集結していた学生たちとともに川を渡ってタイに入り、難民キャンプで医師として働き始める。
ローラ・ボーマンがパトリシア・アークエット、すぐに退場する姉がフランシス・マクドーマンド。『イン・マイ・カントリー』と同様、ジョン・ブアマンの作品のなかではジャーナリスティックな視点が強い。演出は無駄がなく、大規模ではないがモブシーンなどは迫力があり、マレーシアでロケをしたビルマは非常によくできている。
Tetsuya Sato